奥播磨の名前はもちろん、そのお酒も随分前から幾度となく口にしていました。
山廃系の、派手さのない、じんわりした旨みの硬派なお酒、という印象でした。
そんな中、同じ兵庫の都美人酒造で16年杜氏を務めた山内邦弘くんに「移籍する」と言われ
びっくりするやら戸惑うやらでしたが覚悟を決めて蔵を訪ねて参りました。
姫路駅からバスに揺られること小一時間、安富町安志(あんじ)という小さな町。
山に囲まれた静かな町ですが至るところに田んぼと、とにかく水がきれいな町に蔵はあります。
明治17年(1884年)創業、仕込みは最大1,200キロ程度で現在約600石前後の造り。
伝説の高垣克正名杜氏引退後は写真中央の下村元基(もとき)社長が造りをしていましたが
蔵元が杜氏を兼ねる限界を感じていたところに山内杜氏の都美人退職のタイミングが重なり
今回のご縁となった次第です(念のためですが山内杜氏は円満退職をしております)。
使う米は町内産の山田錦と夢錦、仕込み水はすぐ近くを流れる林田川の伏流水(軟水)、
この林田川がまたきれいで(びっくりした!)時期になると蛍がたくさん見られるほど。
まさに「地酒」をそれほど意識せずに自然に形にしている蔵なのです。
使う酵母は速醸が9号、山廃が7号、共に泡ありで山内杜氏が得意とするもの。
僕が訪ねた際には既に3本搾りを終えていましたが奥播磨らしい、山内杜氏らしいお酒でした。
地酒屋こだまにとって奥播磨は「先輩酒屋さん達が大切に育ててきた素晴らしいブランド」で
奥播磨初心者の自分が扱わせていただくにはおこがましい限り…なのではありますが
それでも僕は僕なりの感性で、下村社長と山内杜氏、そして蔵人たちの想いを伝えられるよう
これから少しずつ「地酒屋こだまならではの奥播磨」をご紹介していきたいと思います。
地酒屋こだまの新しい仲間をどうぞよろしくお願い申し上げます。
2023年11月21日 初訪問の翌々日にみんなとの楽しかった宴会風景を思い出しながら
<お勧め温度のご説明>
保存温度ではなく「この温度で飲んでいただきたい」温度です
店主が思う「お酒の良さを明確に感じることができる」温度をご提案しています
美味しいのはもちろん「お酒の本質に触れることができるかどうか」という視点です
◎:超お勧めです ○:まぁまぁいいよね
△:ぎりぎり…悪くはないけど… ×:お酒がかわいそう…
○⇒◎:まだ若いからまぁまぁだけど熟成して味が乗ったら超お勧めになるよ
とはいえ最終的にはご自身の好きな温度で飲んでくださいね(好みは十人十色です…)
使用米:兵庫県産 夢錦 精米:60% 日本酒度:+7.8 酸度:2.0 アミノ酸度:1.2
酒母:速醸 酵母:協会9号 アルコール:17度
酒質:穏やかな香り、軽快ながらジューシーな旨みも感じさせる、やや辛口
お勧め温度:冷◎/常温◎/燗〇→◎
販売予定期間:1月くらいまで(2023.12.05発売-)
穏やかなリンゴ+柑橘系の香り、すっきり軽快な旨みを爽やかな酸が彩ります。酒質自体はやや辛口ですがふわっとした旨みがあり、米の甘みも程よく広がって軽めながらジューシーささえ感じさせます。新酒らしいフレッシュさと僅かな苦みもいいアクセントになり、山内杜氏の新酒第一弾としてもいいスタートなのではないでしょうか。魚介料理や、鶏肉料理などには万能の相性だと思います。
¥1,760
税込 / 送料別途
次の地域は送料無料: 全ての地域を表示 詳細を閉じる